「ワンピース」を挫折した理由

 ジャンプの電子版が「ワンピース」90巻まで無料公開という太っ腹なキャンペーンをやっている。
 期間を区切って30巻ずつ無料公開していて、先日のブログにも書いた通り僕は4連休を使って1〜30巻までを読んだ。来週の月曜日から31〜60巻が公開される予定なので、今、インターバルをとっているとも、お預けを食らっているともいえるような状態だ。

 もっとも、最初のほうは子供の頃に読んだことがある。「アラバスタ編」の途中まで読んでそれっきりだった。
 挫折した理由もよく覚えている。バロックワークスという悪の秘密組織が出てきて、その構成員としてミスター●●とかミス●●が出てくるのだが、こいつらの名前と風貌を覚えるのが自分には難しいと感じてやめた。
 「ブリーチ」も最初はすごく面白かったのだが、ワンピースと同様に何番隊隊長、副隊長というのがたくさん出てくるらしいということがわかったところで読み進むのを断念してしまった。

 今回も同じように挫折してしまうのではないかという危惧があり、「アラバスタ編」を自分が読み通せるかどうかとても不安だったが、大丈夫だった。
 理由は、加齢にともなって「キャラクターの名前が覚えられない」ということが大して苦痛ではなくなったからだ。固有名詞を忘れることにも、そもそも記憶できないことにももう慣れきってしまっているのだ。もうそれがデフォルトになってしまったのだ。
 だからバロックワークスの連中についても「メガネの、ロウソクを使って戦う奴がいるなあ」とか、「グラサンの爆弾人間がいるなあ」てなもんだ。ボンヤリしている。そいつがミスター3だったのか、4だったのかは今もうすでによく覚えていない。
 しかし、固有名詞がなんだというのだ。そもそも固有名詞というか、数字だ。数字の名前のキャラクターが一度にそんなに登場したって覚えられっこないよ。無理、無理。……そういう居直り方を身につけてしまった。

 自分でも、どうか、と思うが、ともかく老化の副産物としてボンヤリした認識と世界への寛容さを手に入れた僕は20年越しに「アラバスタ編」を読み通すことができた。キャラクターの名前はあまり覚えていないがストーリーはとても面白かった。

 感想らしきものを記録しておこうと思って書き始めたのだがくだらない愚痴のような話になってしまった。後日また書きます。